
SARとは、Specific Absorption Rateの略で、日本では、“比吸収率”とも呼ばれています。 人が電波にさらされたときの影響度合いを示す指標の1つです。 人が電波にさらされることは、欧州(CE)、米国(FCC)、日本をはじめ、各国で規制がされていて、このSARという指標は、無線機器が、使用する国での規制を満足するかを確認するために用いられています。 この指標での評価対象となる無線機器としては、携帯電話や無線LAN機器のような人体の近傍で使用する無線機器になります。 人が無線機器の近傍で電波にさらされるとき、人体にエネルギーが吸収されます。 このときの、単位時間に吸収されるエネルギー量(W)を、単位質量(kg)あたりで評価した値をSARといい、W/kg(またはmW/g)で表現されます。 先に述べたように、無線機器は、使用する国での規制を守るため、SARという値が、規定された限度値以下でなければなりません。以下に、米国(FCC)、欧州(CE)、日本での限度値を示します。
| 国 | 規定 | SARの限度値 |
| 米国(FCC) | CFR§2.1093 | 1.6 W/kg (1g平均) |
| 欧州(CE) | 1999/519/EC | 2.0 W/kg (10g平均) |
| 日本 | 設備規則14の2 | 2.0 W/kg (10g平均) |
現在、世界中で、様々な周波数帯で、様々な無線規格が使用されています。 無線機器の使用方法が多様化し、それらの周波数や無線規格は、様々な機器に実装されるようになりました。 そういった背景から、 近年では、携帯電話のような人の頭部で使用する無線機器を対象としたSAR測定だけでなく、頭部以外の身体の近くで使用する無線機器を対象としたSAR測定も必要になってきました。 ルータ、パソコン、デジカメ、携帯ゲーム機などの人の近くで使用する無線機器においても、限度値を満足することを示さなければなりません。